- どうしてむし歯になるのですか?
- むし歯の原因はプラーク(歯垢)です。プラークとは、口の中にいるむし歯菌が、歯に付着した砂糖などをエサにして増殖した、「細菌のかたまり」で、歯を溶かす酸や毒素を出すので、放っておくとむし歯の原因になるのです。
(ちなみにプラークは、「はくそ」ともいいます。耳あかは耳くそ、目やには目くそ、だから、歯の汚れは「歯くそ」なんですよー。やっぱり歯にくっつけたままにはしたくないですよねー)
- 歯周病って何ですか?
- 気がつかないうちに進み歯が抜けてしまう病気です。
歯周病は、歯垢と、歯垢が石灰化した歯石が原因。この2つが歯と歯ぐきの間にたまって、歯ぐきを刺激し、症状が進むにつれ、歯を支えている歯槽骨も破壊します。歯ぐきが腫れたり歯がグラついたりするのはこのせいです。歯ぐきに、少しでも異状を感じたら、受診される事をおすすめします。
- 治療の時ゴムのマスクをかけて治療する事があるのはどうしてですか?
- ラバーダムのことですね。
普段雨が降っているとき、私たちは傘を差したり、レインコートを着たりして身体が濡れないようにします。
歯科医院で治療を受けるとき、治療内容によってラバーダムと呼ばれる「歯のレインコート」を歯に装着することがあります。
ラバーダムは弾力があり、ゴムのような材料で作られていて、処置をしようとする歯(患歯)だけをしっかりと隔離します。ラバーダムの良い点としては
- 治療する場所に唾液がいっさい入ってきません。唾液がベチャベチャの中で治療や予防を行っても、結局詰めものが取れてしまったり、感染の原因となります。ラバーダムがあるとないとでは治療の成績が全然違うのです。
- 子供達の動く舌や歯茎を誤って傷つける心配はありません。
- 治療用の小さな器具や薬などを飲み込ませる心配もないですし、喉に水がたまってむせるという事もないわけです。小児歯科にとり、ラバーダムマスクは確実な治療や予防を行える必須アイテムと言えます。
一見苦しそうに見えますが、これをつけてお昼寝をしてしまう子供たちもたくさんいるくらい、痛くも苦しくもありません。
まさしくレインコートと同じようにラバーダムは、患者さんを守ると同時に、歯を濡れないようにしているのです。
- 子供の歯磨きについて教えてください。
- ●1才6ヶ月頃の歯磨きについて
お子さんの口の中には、何本の歯が生えているでしょう?
まず、良く見てください。
最初は、歯ブラシを口の中に入れる事から始めましょう。
お母さんの膝の上に仰向けに寝かせて軽く歯ブラシを使い(鉛筆状に持つのも良い)小刻みにブラシを動かすのが良いでしょう。
「ほめる」事を忘れずに必ず楽しい雰囲気で行ってください。
寝る前に甘い物を与えないよう気をつけるのも必要でしょう。<アドバイス>
- 前歯は歯茎を指でガードしながら(痛がらないなら必要ない)
- 奥歯は人差し指を口の中に入れてほっぺを膨らませる
- 絶対に歯ブラシをくわえさせたままヨチヨチ歩きはさせないでください。
※ 少なくとも夜、寝る前には必ず歯を磨く習慣をつけましょう。
尚、もう少し詳しい説明が必要でしたら、どうぞお気軽にお申し出ください。
●3才頃の歯磨きについてそろそろ自分で歯を磨く練習を始めましょう。
ただし、まだ十分には磨けないので、お母さんが後から仕上げ磨きを必ず行ってください。
歯ブラシは子供の口の大きさに合った物を選び、歯磨き粉はつけなくてもかまいません。やはり歯磨きを楽しくできるよう気をくばってください。<仕上げ磨きのポイント>寝かせ磨きの姿勢で…。
- 奥歯のかみ合わせ
- 歯と隣の歯の間(歯間ブラシでとれなければ糸ようじを使う)
- 歯と歯茎の接する部分
※ 夜、寝る前だけは忘れずに歯を磨く習慣をつけましょう。
夜、眠っている間は細菌が口の中で繁殖し最も虫歯が作られやすい時です。又、おやつの与え方にも十分気をつけましょう。
尚、もう少し詳しい説明が必要でしたらどうぞお気軽にお申し出ください。
- 誤嚥性肺炎と言う言葉を聞いたのですが何ですか?
- 文字の通り誤って飲み込むことで肺炎が起こると言うことです。
介護を受けられるような障害を持った方の死亡原因は肺炎による物がかなりの割合をしめます。肺炎を起こすと高熱が出て、体力の落ちている方ではかなり大きな問題となります。その肺炎の中の一つが誤嚥性肺炎なのです。
誤って飲むと言っても、それが胃ではなく肺にはいることで肺炎を起こすという意味です。高齢者や、障害を持った方で、飲み込む時の反射が鈍くなると、本来食道にはいるべき物が、気道に入りやすいのです。
食事中にむせたり、なかなか飲み込めないでいつまでも口の中に物が残っているというのは誤嚥を疑うサインです。しかし一番怖いのは食事の時は何ともなくても、食後に口の中に残った食物や不潔な口の中の細菌が肺に入り、肺炎を起こす場合です。
介護を受けられている方で嚥下反射・咳反射の低下した人は,睡眠中にいつの間にか誤嚥をたびたび起こし,この際,唾液とともに口腔内の細菌も同時に誤嚥するため、誤嚥性肺炎を起こすのです。
ですから口腔ケアが大切になるのです。つまり口の中を清潔にしておくことで口腔内の細菌を減少させるのです。肺炎を起こすにはやはり原因になる細菌があります。清潔なお口の中なら、寝ている間に唾液などを誤嚥しても肺炎を起こさずに済むわけです。
具体的にな手技は、いくつかこつがあるので歯科医師か歯科衛生士に正しく指導してもらった方が良いでしょう。